クサビ式足場の種類と注意点 jupite, 2020年11月6日2024年11月10日 最終更新日 2024年11月10日 by jupite 日本にも多い木造家屋等の低層住宅では、足場を設置する敷地が狭く建物の形状が複雑なため、組み換え作業等が簡単にでき、建物の形状に容易に対応できる足場としてクサビ式足場が使用されることが多いです。 一定間隔に緊結部を備えた鋼管を柱として、水平材や斜材などをクサビで固定し、床付き布枠を作業床とした足場のことです。 目次1 ハンマー1本で組み立てができるタイプが重宝されている2 国内で使用されている50パーセントのクサビ式足場がAタイプ3 Bタイプは中高層には少し不向き4 クサビ式足場が倒壊する危険性の有無について5 クサビ式足場の倒壊を避けるために必要な注意点6 まとめ ハンマー1本で組み立てができるタイプが重宝されている 部材がユニット化されていて、ハンマー1本で組み立てができるタイプが重宝されています。 近年では中層建築工事用の足場としても、利用が顕著です。 さらに高層建築でも、外壁の塗り替えなど短期間の補修に使用されることがあります。 基本的な部材構成としては、緊結部付き支柱・布材・腕木材のほか、床付き布枠・緊結部付きブラケット・壁つなぎなどが挙げられます。 1979年に最初に国内で導入され、クサビ緊結式足場のピケ足場が開発されたことから、ピケ足場と呼ばれることもあります。 ブリッジ型の緊結方式は、布材等の端部にコの字状に溶接加工された緊結部を支柱に溶接取り付けしてあるポケット金具、またはフランジ金具にはめ込んでクサビをハンマーで打ち込み連結する方式です。 ポケット型の緊結方式では、布材・ブラケットなどの部材に直接クサビ付きの金具が溶接加工されていて、これを支柱に溶接取り付けしてあるポケットの金具に、ハンマーで打ち込んで連結します。 国内で使用されている50パーセントのクサビ式足場がAタイプ キャッチャータイプは、俗にAタイプとも呼ばれ、国内で使用されている50パーセントのクサビ式足場がこのタイプに該当します。 大きな特徴としては支柱に付いているクサビポケット間の有効寸法が、450ミリメートルという点が挙げられます。 一層のスパンは1800ミリメートルとなり、施工解体が早いことや国内での普及の多さから、互換性のある商品が多く販売されていることがメリットです。 価格面でも納期面でも手に入れやすく、コストを重視するタイプにはおすすめできます。 特にこれといったデメリットがないのも、このタイプの特徴です。 ピケタイプはBタイプとも呼ばれ、生産当初は低層の足場使用を重視して作られた商品です。 踏板やブラケットにAタイプには見られないクサビポケットが付いていて、施工時に揺れの少ない安全な足場が完成します。 支柱のポケット有効寸法も475ミリメートルあり、一層のスパンは1900ミリメートルと長いです。 参照・・・KRH株式会社のクサビ型足場とは?足場についてまとめました。 Bタイプは中高層には少し不向き 揺れの少ない足場を求める分、Aタイプには必要のないクサビの打ち込みや抜きの作業が多くなるのがデメリットです。 中高層には少し不向きとも言えます。 価格はAタイプと比較すると、少し割高です。 セブン足場やCタイプとも呼ばれている三共タイプは、A・Bタイプと違う特徴を持っています。 手すりはブラケットのクサビが、これらと比較すると鉄板の形状をしています。 板材をプレスして絞り加工しているA・Bとは大きく違う特徴です。 利点としては、施工が早く軽いことが挙げられます。 材料が軽量で扱いやすい一方で、クサビが板状なので足場完成時に他のタイプと比べると揺れが大きいのがデメリットです。 入手が少し困難で、価格も高価なためメーカーとの直接取引がないと難しいタイプとも言えます。 クサビ式足場が倒壊する危険性の有無について 足場の組み立てや解体等の作業をするときには、10分間の平均風速が毎秒10メートル以上の場合には中止するように労働安全衛生法が定めています。 ただクサビ式足場が倒壊する危険性の有無は、高さなど風速以外の条件も関わってくるため、一概に何メートル以上が危険と断言することは難しいと言わざるを得ません。 工事期間中に台風などの強風が吹いたときには、特に注意が必要です。 足場を建物の外壁などに固定する部材などを使ってしっかりと固定をすれば、倒壊のリスクを回避することができます。 しかし、養生シートが足場に貼られたままにしておくと、風を受けて膨らんだシートが足場に負担をかけ、倒壊させてしまう危険も出てくるので注意しなければいけません。 クサビ式足場の倒壊を避けるために必要な注意点 クサビ式足場の倒壊を避けるために必要な注意点は二つで、足場を設置するだけでなく入念に固定をすることがまずは大切です。 また、強風が吹いたときや今後予想されるときには、養生シートを畳んで風の影響を少なくすることも重要です。 クサビ式足場と安全性には切っても切れない関係があります。 まず、安全が担保されていない足場では安心して作業に集中することができないため、工事の質が落ちる心配が出てきます。 さらに、墜落などの事故が発生して工事が遅れることもあるため注意が必要です。 例えば塗装工事をするときには、塗装がメインとして考えられ足場はおまけのようなイメージになりがちですが、しっかりとした足場がなければ質の高い塗装工事はあり得ません。 足場の設置に国家資格が必要なことは、意外と知られていません。 まとめ 住宅の塗装に用いるような高さ5メートル以上の足場の設置や解体には、足場の組み立て等作業主任者という国家資格を有した人の指揮をもとに行うことが、労働安全衛生規則によって義務付けられています。 平成27年にはさらに法改正があり、足場の組み立てを行う作業員の全員が特別教育を受講するよう定められました。 ビジネス