働く人のための産業医 jupite, 2020年7月31日2024年11月10日 最終更新日 2024年11月10日 by jupite 医者と言えば、クリニックや病院で病人やけが人を治療すると言うイメージが強くありませんか。 確かに、病気やけがで苦しんでいる人を治療してくれる頼もしい存在です。 ただし、医者と言ってもこのような医者だけではありません。 企業は自社の社員の健康のこともきちんと考える必要があります。 企業内で活動する医者がいることを知っていますか。 目次1 産業医の役割2 産業医は毎月1回以上は作業現場などを巡回しなくてはならない3 分煙が適切にされているのかなども重要4 まとめ 産業医の役割 産業医は、企業内で社員の健康を守ってくれます。 企業内にクリニックがあると言うわけではありません。 そう言う企業もあるかもしれませんが、企業内にメンタルヘルス系のケアをしているところは多くなっているかもしれません。 心の病は見た目ではわかりませんし、簡単に治るわけでもないのでケアがとても重要です。 今はストレスを抱えている人も多いですし、特に今年は新型コロナウイルスによるコロナうつの人も増えているようなので社員の心のケアがより重要になっています。 産業医は社員の病気やけがなどの治療を行うと言うわけではありません。 治療を行うのは、クリニックや病院です。 では、どのようなことをするのかと言うと社員の就業環境や健康全体に対するアドバイスを行います。 他にも就労制限や就労可能かどうかの判断なども行っています。 働く人が快適に働けることはとても重要なことです。 健康的な状態で働いているのかどうか、これは大きな問題です。 企業では毎年1回は健康診断を行なっていますし、きちんと健康管理を行なっていると言う企業は多いです。 確かに、定期検診を行うことは重要なことではありますが、これだけで本当に足りるのでしょうか。 健康診断だけではわからないこともあります。 産業医は毎月1回以上は作業現場などを巡回しなくてはならない 産業医は企業内に常駐しているわけではなく、少なくとも毎月1回以上は作業現場などを巡回しなくてはなりません。 そこで、作業方法や衛生状態に何か問題がないかを確かめます。 これらに特に問題がなければ良いのですが、改善しなくてはならないようなことがあれば改善しなくてはなりません。 細かいところまでチェックする必要があり、オフィス内の照明の照度もチェックの対象です。 明るく快適に作業できるようになっていれば良いですが、そうではない場合があるかもしれません。 もちろん、作業現場の中には明るいと困ることもありますが、快適な環境であるかどうかを確認する必要があります。 照明の照度だけではなく、室温も重要です。 夏は冷房を冬は暖房を適切に使って、快適な作業ができるようにしなくてはなりません。 適切な通路幅になっているのかやコンセントなどの電気用具の管理も確認しています。 整理整頓ができているのかやゴミをきちんと処理しているのか、トイレや給湯室や冷蔵庫の衛生管理もチェックの対象です。 分煙が適切にされているのかなども重要 日本は自然災害が多い国ですし、防災対策もしなくてはなりません。 非常口や非常経路が確保されているのか、消化器を用意してあるのかやキャビネットなどが適切に設置されているのかも重要です。 救急用具や防災備品の管理もしなくてはなりません。 今ではオフィス内では禁煙にしているところが多いかもしれませんが、分煙が適切にされているのかなども重要です。 受動喫煙によって、社員の健康が損なわれないようにするためにも、きちんと分煙されていることも確認しています。 このように産業医はかなり細かいところまでチェックして、社員を守っています。 とは言え、絶対にどこの職場であっても選任しないといけないわけではありません。 どのような会社で選任しないといけないのかと言うと、50名以上の労働者を雇用している事業場や月80から100時間以上の残業をした労働者がいる職場です。 これらに該当する場合は、選任しなくてはなりません。 50人以上500人未満の労働者がいる場合は嘱託ですが、500人以上1,000人未満の労働者がいる場合は嘱託か専属のどちらかを選べます。 1,000人以上3,000人以下の労働者がいる場合は専属が必要です。 これらの職場はいずれも1人だけで構いません。 3,001人以上の職場は専属が2人必要です。 専属の場合は常勤します。 まとめ 職場の労働者の人数によって嘱託か専属か違いがあります。 50人未満の労働者がいる場合は必要ありません。 ここでは労働者と表現していますが、正社員だけではないと言うことです。 アルバイトであろうが派遣社員であろうが1人の労働者とカウントします。 アルバイトや派遣社員と正社員が入り混じっている職場はとても多いです。 このような場合は、すべての労働者をカウントして産業医が必要かどうかを判断することになります。 ブラック企業と言う言葉を聞くこともありますが、そう言うことがないようにするためにもとても重要な意味があることがわかります。 直接、治療すると言うわけではありませんが、働く人を守ってくれる存在なので50人以上の労働者がいる職場であれば責任を持って産業医を選任してください。 働く人の安全のためにとても大切なことです。 関連サイト ・従業員50人未満の事業場には顧問医を! 医療